近年、アジア諸国を中心にわが国の企業による海外進出が進んできている。その一方で、...
近年、アジア諸国を中心にわが国の企業による海外進出が進んできている。その一方で、周辺諸外国における法人所得税の負担水準は低下してきており、潜在的にタックス・ヘイブン対策税制の対象となりうる外国会社(海外子会社)の範囲が広がっている。このような状況の中で、平成22年度税制改正では、いわゆるタックス・ヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)で大きな改正が行われた。本書では、平成22年改正を中心にわが国のタックス・ヘイブン税制の改正のポイントを解説した。
主要目次
1 タックス・ヘイブン対策税制とは
2 改正前の制度の仕組み
適用対象となる子会社
適用対象となる内国法人等と合算される所得
税負担が25%以下の判定
適用除外
合算される所得金額
特定課税対象金額を有する内国法人が受ける剰余金の配当等の益金不算入
課税のタイミング
3 改正の内容
(1)保有割合要件の引き上げ
(2)トリガー税率の引き下げ
(3)トリガー税率の算出の緩和
(4)統括会社の事業基準要件からの除外
(5)卸売業たる統括会社に対する非関連者基準の見直し
(6)人件費の10%相当額控除の廃止
(7)資産性所得の合算課税制度の導入
(8)受取配当に対する二重課税の調整
4 適用開始時期
5 参照条文等
・所得税法等の一部を改正する法律(平成二十二年法律第六号)
新旧対照表(抄)
・租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令(平成二十二年
政令第五十八号)新旧対照表(抄)
・租税特別措置法施行規則の一部を改正する省令(平成二十二年財務省令第十七号)新旧対照表(抄)